845人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、ありがとう。悪いな、明日から仕事なのに」
「柊は毎日仕事だろ。大丈夫か、体。気をつけろよ。お前、俺とは違って無理するタイプだからな」
ペットボトルのフタを開けて、お茶を1口飲んでから僕は答えた。
「無理はしてないよ。たぶん仕事が好きなんだろうね。苦にならないっていうか、お金もいくらあっても困らないしね」
「そんなにお金って必要か?」
「お金は大事だろ? 好きな女性がいても、お金が無ければ、結局、幸せにはできない」
「……それが柊の考え方なら、まあそれもいい。あのさ……柚葉って、本当にお前のフィアンセとしてふさわしいのか?」
「樹は、柚葉が嫌いなの?」
「別に……。ただ、柊には幸せになってもらいたいからさ」
樹の何気ない言葉が深く響いた。
同じだよ……
僕だって、樹には絶対に幸せになってもらいたいと心から思ってる。
最初のコメントを投稿しよう!