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5話 新しい日常
静まり返った小部屋で、ダイナは一人ベッドに寝転がっていた。
ここは『カフェひとやすみ』から徒歩で100mほどの場所にある下宿所だ。ダイナの就職が決まったすぐ後に、老婦――ヤヤがこの場所へと案内してくれた。何でも下宿所の管理人がヤヤの顔馴染みで、すぐにでも部屋を貸してもらうことができるのだとか。
住まいを紹介してくれただけでなく、ヤヤはダイナの雇用にあたり色々と融通を利かせてくれた。3食の食事はカフェでまかないを提供する。神具の売り上げはダイナの小遣いにしてよい、などなど。下宿所の管理人は家具がそろった部屋を貸し出してくれたし、下宿費の支払いは給与が入った後で良いと言ってくれた。
たくさんの気遣いに支えられて、ダイナはようやく神都での生活を手に入れたのだ。
「お父さん。私、何とか神都で暮らしていけそうです」
ダイナは柔らかな布団の上で手のひらを握り締めた。
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