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外はすっかり暗くなっていた。改めて我が家を眺めてみる。両隣は空き地で、周りには、明かりらしい明かりは無く、ぽつぽつと街灯があるくらいだ。孤立している父さんを見ているような気分になった。
気を取り直して惣一郎の家に向かう。途中、コンビニに寄って(黄昏時や夜分のあの明かりにはついつい用がなくても立ち寄ってしまう)、コーラと唐揚げを買った。
コンビニの外で唐揚げを食べようとしていると、黒い子猫が近寄ってきた。
「にゃーん」
足の間を八の字にすり寄る。すごく人に慣れている。飼い猫だろうか。
「唐揚げ、喰う?」
猫に唐揚げは添加物多すぎて良くないよな、と思いつつ、一回だけだから、と思って一個やった。子猫は美味しそうに食べた。
「にゃーん」
猫は唐揚げを食べてしまうと、走って行った。俺は猫があまりに小さいので心配で何となく後を追った。猫が道を渡っていると、車が猛スピードでやって来るのが見えた。しかも、猫は道を渡り切りそうになったのに、さっと引き返してきた。猫の習性だ。はねられる!
「あぶない!」
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