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募金箱を物色しながら獲物を手にしようとする。
その瞬間、狙っていたかのように怒声が飛ぶ。
「そこで寝るわけじゃないだろ!何してんだ!」
先程のニットにメガネの男が追いかけてきたようだ。
気づかなかったというか、なんとなく眼中になかった。
先程の落ち着いた雰囲気と違い語気が荒い。
「もう来るなって言ったばっかで何してんだコラ!」
"今日はもうここらが潮時か・・・"
焦ったネズミ退散した。
凍てつく寒さの中、身体中から湧き出る冷や汗で汗だくになりながら走る。
今回もほぼ失敗のようだ。
だが、ネズミは一つわかった。
あの周辺は日が変わる前に起きている人間はごく僅か、そこに気づかれなければ手持ちは増やせる。
ニット帽の男の言いつけなど知った事ではない。
ネズミは日を改めて向かう事を決意する。
今度こそあの周辺を制覇するために。
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