雪花の捕物帳〜前編〜

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募金箱を物色しながら獲物を手にしようとする。 その瞬間、狙っていたかのように怒声が飛ぶ。 「そこで寝るわけじゃないだろ!何してんだ!」 先程のニットにメガネの男が追いかけてきたようだ。 気づかなかったというか、なんとなく眼中になかった。 先程の落ち着いた雰囲気と違い語気が荒い。 「もう来るなって言ったばっかで何してんだコラ!」 "今日はもうここらが潮時か・・・" 焦ったネズミ退散した。 凍てつく寒さの中、身体中から湧き出る冷や汗で汗だくになりながら走る。 今回もほぼ失敗のようだ。 だが、ネズミは一つわかった。 あの周辺は日が変わる前に起きている人間はごく僅か、そこに気づかれなければ手持ちは増やせる。 ニット帽の男の言いつけなど知った事ではない。 ネズミは日を改めて向かう事を決意する。 今度こそあの周辺を制覇するために。
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