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雪花の捕物帳〜後編〜
燦々と太陽が繁華街を照らし、昨日の雪が嘘のように晴れている。
ネズミの心もどこか晴れやかであった。
一気に手持ちが増えた事がその要因だ。
"この勢いで今夜も行くか・・・"
ネズミは今夜も、西側のあの場所で盗みを実行する計画を立てる。
時が来るまで街を徘徊し続ける。
ファッショナブルな人々が行き交う街中に、肩に厚かけのシーツを抱える男の姿はとても不釣り合いだった。
街を歩き続けてあっという間に夜を迎え、そのまま西側のビル街へ。
タクシーが並んでいるようだがそんなのは関係ない。
運転手は我関せずの姿勢だからだ。
もう日が変わるくらいの時間だろう、大半の路上者は横になっている。
ネズミはチャンスを伺いつつ寝床を物色し始める。
昨日よりも中身の増えた募金箱に手を入れる。
カランカラン・・・
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