雪花の捕物帳〜後編〜

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「おい、頭下げろ!」 ネズミは公園に着くなり土下座させられる。 頭を下げるなりメガネの男にバチン!と頭を叩かれる。 「ちゃんと頭下げろや!」 「まぁ、フルカワさん。落ち着いて。」 「ごめんセムラさん、ついつい。」 何回目だろう。 目の前ではすぐにでも自分に手を上げるメガネの男"フルカワ"がニット帽の男"セムラ"に止められる光景を見させられる。 セムラが口を開く。 「あのさ、なんで路上者相手に盗みするの?やってる事は動物と同じなの分かってるよね?」 「・・・」 「ところで、昨日の約束忘れてないよね?」 「はい・・・」 「来るなって言ったよな。そしたら今回見逃すって言ったよね?」 「・・・」 まるで取り調べのような雰囲気にネズミは黙る。 俺にも黙秘権くらいあるのだから。 「昨日言われたのになんで今日来ちゃったの?」 「お金入ってないかなって・・・」 セムラの冷たく静かな目つきが怒りでグワッと見開いた。 次の瞬間彼の張り手が飛んできた。 パチーン! 「何回言っても分かんねーならもっと痛い目見るか?どうなんだ!」 「まぁまぁ、セムラさん落ち着いて。」 まさかセムラから殴られると思わなかった。 にしても厄介な二人に捕まったものだ。 このまま何されるか分からない。 ネズミはそれまでの余裕がなくなり、一気に身の危険を感じた。
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