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深夜の犯行
俺は今日を生きるため、今日もどこかで盗みを行う。
「うわーっ!またやられたぞ!」
「マジか・・・こっちもだよ。」
「なんでこう、何百円もしないのに盗むのかね。」
「まぁチリも積もればって言うからね。ふざけてるよなー!」
家もなければ、働く気もない男にとって、金がなくなれば路上者から小銭を盗んで食にありつく。
もう人と関わりたくない男にとって、生きるためにはこれが一番性に合っているのだ。
今、彼のいるこの街は日本有数のターミナル駅を通る線路を挟み、東西で街並みはガラッと変わる。
彼がいる東側はいわゆる繁華街。
反対に西側はオフィス街となる。
不思議なことに、東西どちらにおいても路上者が多数存在するのだ。
じっと道の片隅に座り、手持ちを見る。
合わせて100円もない小銭の山を見て思う。
"今日は何も食う物も買えない"
と。
それならやる事は決まっている。
男は手持ちを増やす計画を立てる。
やるなら今夜。皆が寝静まった真夜中しかない。
男は目線を線路を超えたビル街を方に向ける。
オフィス街ひしめく西側に狙いを定めたのだった。
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