引っ越しのお知らせ

闘病中の親友が亡くなった。

哀しいが、長く辛い病との戦いからやっと開放されたのでは、と思わなくもない。

自宅に帰り、黒いネクタイを外した。

郵便受けにハガキが１枚。

『引っ越しました！

俺は異世界に引っ越しました。
まぁ、勇者なんてできないので
まったりスローライフを過ごします。
ここ異世界だからさー
これが最後の手紙になるけど、あんま心配するなよ。
お前は最高の親友だった!元気でな！

追伸、異世界の女の子は美少女すぎて声かけれない
』

どうやら、親友は異世界に引っ越したらしい。

窓の外に広がる青空を見上げる。

死んだ人間の魂ってやつが何処に行くかなんて誰にも分からない。
天国とか地獄って所かもしれないし、無に帰るのかもしれない。

でも、遠く、遥か向こうで
君とまた会えたら　どうしようもなく　嬉しいだろう　
「また、会おうぜ親友！」