恋仲契約

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この高校に入学して今月で3年。

1年生のときからたまにこうして声をかけられる。もうすっかり慣れて、避け方も覚えたけど、疲れるしめんどくさい。さっきので今月10人目だ。

足早に駅に向かい、女性専用車両の止まる列に並ぶ。普通車両だとたまに全く知らない人にもナンパされるので、最近は専用車両に乗るようにしている。

電車に乗り1番端の席に座る。ふと隣の車両を見てみると、同じ高校の制服を着た男子と目があった。

｢｢…｣｣

すぐに目を逸らした。顔を見ただけですぐ分かった。校内一イケメンと言われている旭川だ。

テストはいつもTOP10には入っていて、その上バスケ部のキャプテンだ。この町で1上手いと言われているほど。その上顔がいい。彼の周りにはいつも女子がいる。でも彼女らしい人はいないから、私と似たような感じだと思う。

いや、勝手に一緒にしちゃダメでしょ。

自宅の最寄り駅に着いた。すぐに電車から出る。隣の車両の中を覗くと、また旭川と目があった。気まづくてすぐに目を逸らした。