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放課後。
今日は図書委員の当番なので、後輩のうーちゃん…こと、旭川うぐいすちゃんと一緒に図書室のカウンターで仕事している。
とは言いつつ、この高校の図書室はそんなに広くないし品揃えもあんまりなので、ほぼ誰も来ない。今日もうーちゃんと雑談している。
ちなみにうーちゃんは、名前から分かる通り昨日会った旭川の妹だ。
ガラッ
「あっ先輩、誰か来た…って、兄ちゃん?何しに来たの?」
「え?」
そこにいたのは紛れもなく、昨日会ったうーちゃんの兄、旭川だった。
「なんだよ、来ちゃダメだったか?早乙女に用があるんだけど」
「私に?何かしたっけ」
「いや、個人的に話したいことがあって、出来れば一緒に帰りたいんだけど…いつ仕事終わる?」
「あと15分くらいかかるけど」
「じゃあ待っとく」
「先輩、よかったら帰っていいですよ。どうせ誰も来ないし、あとの仕事はやっときます。兄ちゃんがいたら集中出来ないし」
「うるさい。じゃあ、いい?」
「え?ああ…うん。じゃあ、お言葉に甘えて帰ろうかな。ありがとう」
どうしよう。流れでOKしちゃったけど、何があるんだろう…
他の男子に声をかけれた時はすぐに断れるのに、彼にはなんとなくそれが出来なかった。
平然を装いながら、前を行く旭川について行った。
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