Ω堕ちの元αは運命の番である最高級人外αを10回殺したい

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「罰ってのは何だ?」 「程度によってその都度変わる。まあ、悪魔との取り引きだ。可愛らしいものじゃないのは確かだな」  碧也の顔が引き攣った。  アスモデウスはそれを見て微笑むと、碧也の着ている服に手を掛けた。 「それにしてもお前、どれだけ武器を所持していたんだ」  所持していたナイフの内残り数本や足首に巻きつけていた万が一の時の予備拳銃を、笑いながら取られて床に転がされる。  あとは先程枕の下に忍ばせたナイフが一本あるが、幸いにもまだ気付かれてはいないらしい。  取り上げられたナイフの一つで、着ていた服や下着は全て切られ剥ぎ取られる。 「怖い怖い。切れ味もバツグンにいいな」  怖がる素振りを見せるどころか、鼻歌混じりにアスモデウスはそう言った。  碧也の服は、今目の前で切り裂かれた物だけだ。  これでは戒めを解かれたとしても自分の服を着て逃げ出す事が出来ない。また小さく舌打ちする。 「微かに息を乱し熟れた表情をしている所を見るに、もう体はオメガとして仕上がっているだろう? こんなに蜜を垂らして匂いを振り撒いていればベータですら一瞬で落とせそうだけどな。なのに気丈な事だ」  首筋から下っ腹にかけて撫でられ短く息を詰めるのと同時に、繋がれた鎖がガチャリと嫌な音を立てる。 「さて、手始めに中は何で慣らすか。先ずはエネマグラにしとくか? 地上は色々な物があって本当に興味深いことこの上ないな」 「稀有なアルファ+の人外とやらは、道具に頼るしか技量がないのかよ」  嫌味たっぷりに碧也が口を開いた。 「指で慣らしてすぐに俺のを挿れてやってもいいが、初めてだと間違いなく会陰部から腹の中までもが裂けるぞ。元アルファなら尚更だ。内部を開かれるのに慣れていないからな。せめて五センチ幅のバイブが入るようになるまでは拡張が必要だ」  ——五センチ⁉︎  一般的な男性器の太さは三センチを少し超えるくらいだ。そっちでも規格外なのか、と口も開けなくなってくる。 「人間の姿の俺の陰茎は太さ七センチ、長さ二十センチといったところか。今日は壊れないようにそっちでやってやろう」 「……」  この任務を受けた事を初めて後悔した。  寧ろそんな凶悪なモノを他人の腹の中に挿入しようとしているのがおぞましい。  すぐ壊れると言っていたが、それを挿れられて壊れない方がおかしいのだと碧也は一人納得した。 「お前の事は壊さないように気をつけてやる。ここまで気配りしてやるのはお前が初めてだぞ。光栄に思え」 「……っ!」  遠慮なく後孔に潜り込んできた指の感触に息を呑む。  こんな所は使う予定はなかった。表情を隠すように顔の前で腕を交差させる。  もっと荒々しい交わりを好むのかと思っていたが、アスモデウスは存外に丁寧に中を開いていく。内部の上の部分を撫でられると、快感で腰の奥がゾクゾクした。 「……っ、ふ」  やっと慣らし終えた時には、すっかり息を乱されていた。顔に熱も籠っていて熱い。 「中々良い表情をするな。その綺麗な顔といい、抱かれる側の才能もあったんじゃないのか?」 「ふざ、けるな。ヒートの影響を受けているだけだ」 「よく言う。どこからどう見ても盛りのついた雌猫だぞ。ちょうど良い機会だ。乱れていく自分の様子でも見てみるといい」  膝を立てたまま横向きにされ、また後孔を弄られる。  アスモデウスが空で指を動かすと目の前には大きな姿見鏡が現れた。  ほんのり朱色に色付いた両頬と唇、濡れた瞳と鏡越しに目が合い、反射的に目を瞑った。  こんな表情をする自分など見たくもない。  部屋から出ていく気配がして視線を向けると、アスモデウスが居なくなっていた。  ベッドから飛び降り、他に出入り口がないかを調べる。隠し部屋へ通じる扉がないか壁に手を当て、叩いたり押したりしてみるも、硬くて冷たい感触しかなかった。 「くそっ」  暫くして戻ってきたアスモデウスを尻目に見やる。  上半身は裸のままだが、身長や髪の長さも元に戻り、角も体の模様も無くなっていた。本体にある元々の模様なのか、今だけ見えないようにしているのかは分からないが。 「出入り口は此処にしかないぞ」  バレている事に舌打ちした。この数時間の内に何回舌打ちしたか数えきれないくらいだ。  アスモデウスはどこか機嫌が良さそうにベッド縁に腰掛けて、いくつかの玩具のパッケージを開けている。それがどう扱われるかなんて想像したくもなかった。 「お前が初めて咥え込むんだ。ちゃんと玩具の確認でもしとくか?」 「冗談……、するわけがない。笑えねぇよ」 「そうか? ハジメテだからな。潤滑剤もつけてやろう。ほら、ベッドの上に戻れ」  鎖を引き寄せられて、体を横向きに倒される。  ローションが塗られた温度のない小ぶりの物体を、無遠慮に押し込まれて短く息を吐いた。  会陰部と内部の前立腺に当たるように作られているソレは、異物感しかもたらさなかった。 「エネマグラを出すように腹に少しだけ力を込めてみろ」  無視を決め込んでいると、早くしろと言わんばかりの視線を向けられる。  かなり癪だが言われた通りにすると「良く出来たな」とアスモデウスに頭を撫でられた。 「今度は力を抜け。その繰り返しだ」  言われた通りに何回かしていた時だった。内部にあるエネマグラが勝手に動き出したような気がして、碧也は両目を見開く。 「う、あっ、な……んだ⁉︎」 「やはり才能あるぞお前」  口元に笑みを浮かべたアスモデウスに、指で髪をすかれる。  エネマグラが一人でに蠢き、前立腺と会陰部を押すように刺激してきて、その度に碧也の体はビクビクと震えた。  腹の中で予期せぬ何かが起ころうとしている。 「アスモ……デウス」  焦燥感に駆られ、アスモデウスの名を呼ぶ。 「どうした?」  甘さを含んだ機嫌よさそうな声が返ってきて、もう一度名を呼ぶために口を開いた。 「ア、スモ……っ、デウス」  言葉につっかえながらもアスモデウスの名を呼んだ。思考が乱れ、何が何だか分からなくなってきていた。 「くく、やけに甘えたな声になったな」 「中の……取ってくれ」 「断る」  取るどころか抜き差しされ、碧也の体は大きく震えた。 「……ッ、ふ、あ」 「ああ。先に前でイクなよ。後ろでイけなくなるからな」 「知るか、よ」  イけないように陰茎の根本を握られ、魔力で組成したのか手を離されたそこにはリングが光っていた。これでは前でイけない。 「くそ……」 「碧也、鏡を見ていろ」  急に振動を始めたエネマグラに内部をずっと刺激されている。  鏡には羞恥に頬を染めながらも、発情している己の顔が映っていて思わず目を背けた。 「見ていろ、と言ったはずだが?」 「い、やだ。見たく……っない!」 「言う事を聞けない子には仕置きが必要か?」  グチャグチャと内部を掻き回される音が響く。意識が飛びそうなくらいの悦楽に声が溢れた。 「止めろ……っ、うあ、あああ!」  また目を開いて言われた通りに鏡に視線をやった。内部が引き攣り、吐精せずに達する。 「ん、んんんーーー!」 「良い子だ。上手に中でイけたな。雌イキすると際限なくイけるぞ。そのまま連続で後五回はイけ」 「は……?」  アスモデウスの言葉に応えるように、碧也の体が小刻みにビクビクと震える。  ——嘘、だろ。何だよコレ。  腹の奥がゾワゾワしていて、絶頂の余韻もなくまた高みへと追い込まれていく。 「ほら、い〜っ回」  愉しそうに間延びした声音で数を数え始めたアスモデウスの言う通りに、碧也の括約筋が引き攣ってエネマグラを締め付けた。 「は、あ、んっ……ん゛ん゛ーーーーッ!」  言われた通りに本当にイってしまい、これ以上開かないくらいに目を瞠る。信じられない思いでいっぱいだった。  絶頂感が止まらない。というよりも、イってもすぐ次の波が訪れる。 「最高だ。またイけ。二〜回」 「あああ、あ、あ、あーーー!」  勝手に体を高められる感覚に慣れなくて、また絶頂を極めた。  ハッハッと荒い息を吐く。アスモデウスの言葉に呼応するかのように、すぐにまた次の絶頂が来る。  頭の中で神経がバチバチと音を立てて焼き切れた気がした。 「三〜回」 「ふ、ぅ、ああ……っ、う゛う゛〜〜!」  下っ腹が熱くて怠い。中でイク度に愛液が溢れて、エネマグラの動きをよりスムーズにした。 「それで良い。覚えが早いな。ほら後たったの二回だ」  光が明滅しているかのような激しい快楽の中で、一人楽しそうにしているアスモデウスを映し出す。 「四〜回」 「はっ、ぁ、ああ、無理、だ。も……イけな」  左右に首を振りながら、拒絶の意を示す。 「そうか? なら手伝ってやろう」  突然内部でエネマグラが振動を始め、碧也の体が大きく震えて丸まった。  強制的に絶頂へと押しやられ、また目の前で光が明滅し始める。 「やめ、やめろ! やめ……っ、ん、ぁあああ、ああ!」 「イけたじゃないか。そのまま、もう一回だ」  今度はアスモデウスにエネマグラを直に掴まれ、中をかき混ぜた後に激しくピストンされる。  頭の中が白く弾けて碧也の意識は一瞬飛んだ。
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