Ω堕ちの元αは運命の番である最高級人外αを10回殺したい

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「うああ、あ゛あ゛! 出てるっ出てるから、突くなぁあ゛あ゛!」  アスモデウスは律動を緩やかにすると、精液を吐き出し続けている碧也の陰茎を扱き始めた。 「触る、な! はっ、ん、あああ、嫌だ、触るな!」 「空になるまで出せ。俺の雌になったんだ。この液体はもう必要ないだろう?」  嘲るようなその言葉にフッと我に返る。  枕の下に忍ばせたナイフに手を伸ばして握った。身を捻って、背後にいるアスモデウスの首筋を狙って刃を突き立てる。  が、手首を掴まれて首に届く寸前ではたき落とされ、ナイフは床に滑り落ちて視界からも消えた。 「ククク、ははははっ。そう来なくては張り合いがない。ほら仕損じた仕置きだ」  ベッドの上に上半身を押さえつけられる。  体勢を変えようともがこうとした所で、うなじを舐められた。 「う、そ……。やめ……っ、ろ」  今から何をするのか知らしめるように、何度も口付けられて甘噛みされる。嫌でも意識をうなじに集中させられていく。 「おい、やめろ!」  暴れようとしたところで、思いっきり噛みつかれた。  ジンジンと痛みを訴えながら、うなじが熱くなった。 「これで番契約も成立だな、碧也。お前は俺のものだ。一生離す気はない」  ——最悪、だ。  内心そう思いつつも、噛まれた箇所から熱くなり始めて、やがて全身に熱が回る。  ——体中が……熱い。  番を求めるように、扇情的なフェロモンが香り立つ。 「ん、はっ、はっ……あ、ッ、あ」  どんどん荒くなる呼吸と甘ったるい声までもが口から漏れて、やがて碧也の瞳がトロリと蕩けた。 「本当に甘美だ」  腰を打ちつけられる度に体が戦慄き、アスモデウスを歓迎しているように後孔から蜜が溢れる。 「んっ……んう〜〜!」 「これからは中の刺激だけでイけ」  結腸も含めて激しさを纏った抽挿に、碧也は声を上げる事しか出来なくなった。  シーツの上に溢れていく精液はやがて色も薄くなっていく。 「雌になった記念に潮も噴いとくか?」  抜けそうになるまで腰を引かれて、最奥まで挿入される。それを何度も繰り返された。  ——頭が、おかしくなりそうだ。  心とは裏腹に、体は触れられる箇所全てが気持ち良くて堪らない。  気持ちなど通っていない筈なのに、愛しむように背中に何度も口付けられると感度が増した。 「誰……ッが……噴くか。あっああ゛あ゛、うぁ、あ゛あ゛ーーー!」  番契約が成立した事により、体はずっと歓喜の声を上げている。 「その前に出すぞ、零さずちゃんと胎の奥で受け止めろよ」 「ふざける、な……っ、外に……ッ出せ……、ぁ、ア、アアア‼︎」  暴れ始めた碧也の中に大量の精液が流し込まれる。量も人間の比ではない。ゴプゴプと音を立てて内部に吐き出されているのが分かるくらいだった。  直後また律動が始まって、出した精液を結腸に送り込むようにそこばかりを攻められる。少しして己の体の変化に気が付く。 「あ、あ゛あ゛、んぁ、なんで……っ、腹……の中、あつ、い‼︎」  それどころか体の感度がまた輪をかけて増している気がして、碧也は問いかけた。  もっと内部を突いて欲しくて堪らない気持ちになってくる。 「淫魔の体液には催淫作用のある物質が含まれているからな。もっと突かれたくて堪らんだろう?」  パンパンと肉を打つ音と共に容赦なく内部を突かれ続けた。  己の快楽を貪るような動きがしばらくの間続いたかと思えば、二度目の欲を中に放たれる。 「は、あん、んんん、ああ……、もうっ入らない……中ぁ……入らないぃい!」 「駄目だ。俺が出すもんは全部飲み込め」 「無理に、決まってる!」  腹の中をグチャグチャにかき回されて、中に出された精液を奥へと追いやるように腰を押し付けられた。その動きを何度も繰り返される。 「ほら、出すぞ」 「ああ、あああ゛〜〜!」  三回も続くと、腹の中で受け止められなかったアスモデウスの欲の証が、碧也の太ももを伝い落ちていった。それなのに律動は一向に止まる気配がない。 「出すな、もう……っ出すなぁ゛あ゛!」  出される度に快感の波が大きくなり、本当に頭がおかしくなりそうだった。  視界が白く霞んでは途切れてまた快楽で戻される。 「おい、溢すなと言っただろう?」 「無茶、言うな……クソが。どんだけ……精子つまってんだよ!」 「言葉遣いが荒くなってるぞ」  おかしそうに笑われる。もう何度中でイったのかも分からない。精液も何度吐き出したのかも分からない。  何も出ないと思っていたのに、体勢を変えられて対面座位にさせられた瞬間、碧也の陰茎からはプシャプシャと潮が飛んで二人の腹を汚した。 「ひ、あ……ぅ、あッあ゛あ゛ーー!」 「やっと潮を噴けたな。本当に雌になった気分はどうだ?」  ここまで来るともう抵抗感も何も感じなくなっていた。  その間も勿論休ませて貰える筈も無く、碧也はアスモデウスのされるがままになっている。  気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。  もうそれしか考えられないくらい意識が朦朧としていた。  両腰を持たれて上下に動かされ、律動に合わせて潮を飛ばす。 「また出すぞ。碧也、中に欲しいか?」  快楽に蝕まれているのを見計らったかのように声をかけられた。  激しさを纏った動きに翻弄され、碧也は本能の赴くままに喘ぐ。 「あ、あ、ん、欲し……、中ッ、アス……っモデウスの……ほしっ、あああ、ん、あああ、ほし、い。んぁ……っ、中……気持ちッ、いいっ‼︎」  終わりのない快楽責めに、碧也の理性はもう既に飛びかけていた。  抗う力さえ奪われ、ひたすらアスモデウスに揺さぶられている。 「そうかそうか。そんなに俺のモノは美味しいか?」 「お、いしい。あ、ああ……イイ……ッ、あああん、気持ちーっ、奥っゴリゴリ……ッ気持ちいい〜〜〜‼︎ お腹……ん中……、アスモデウスので……っ、たくさん……ッ、あ、ん、あああ、美味しい‼︎」  番としての本能が理性を凌駕していた。恥ずかしげもなく言葉が口をついて出ていく。 「クク、可愛いな、碧也」  頭の中が飛びまくっていて、目先の快楽ばかりを追っている。途中で視界が黒く染まり碧也はついに意識を手放した。  喉の渇きで目を覚ました碧也は辺りを見渡した。  薄暗く照明を落とされた洞穴の中には、いつの間に持ち込んだのかサイドテーブルがあった。その上には水差しが置かれている。  手を伸ばしたが、アスモデウスに抱え込まれていて水差しまで手が届かない。  何とかアスモデウスの腕の中から逃げ出し、水で喉を潤した。  体中が怠くて重い。しかも下半身は未だに感覚がおかしかった。アスモデウスが腹の中に入っているような違和感がある。  こうなった元凶に視線を向けるが当の本人は寝ていて目を覚ます気配がない。  痛む体に鞭を打って、ベッドの下に落ちていたナイフに手を伸ばす。  このまま喉を掻き切ってしまえばいい。そう思っていたのに手が止まった。 『母さん何してるの?』  脳裏に浮かんだ過去の自分が問い掛けていた。  父の腹の上に跨がった母の手には短刀が握られている。満月の月明かりが室内に満ちていて、灯りをつけなくても見えた。  父は既に絶命しているのか微動だにしない。母は何も言わずに碧也を通り越して家を出て行き、そのまま二度と戻って来なかった。  捕まったという情報もない。碧也は施設に預けられていたが何年かして脱走し、自ら裏の仕事に手を出すようになった。  施設で育ったとしても真っ当な仕事にはつけない。弱肉強食しかない今の世の中で生きていくには、裏の仕事もやれるくらいの頭脳と肉体と精神力が必要だった。  ——心はいらない。  子どもながらに碧也は肌で感じ取っていた。 『殺し屋になるにはどうすればいい?』  闇世界に足を踏み入れて半年が経った頃、偶然知り合った情報屋を名乗る男にそう尋ねると、男は碧也に一枚の名刺を渡した。  紹介されたのは世良という名前の冷たい目をした風変わりな男だった。 『修行? つけても良いけど私の条件も呑んでね?』  男が提示したのは、時が来た際にとある男に会って欲しいという訳のわからないものだったが、碧也はその交換条件を呑んだ。  世良の元で一カ月特訓して碧也は暗殺者をするようになった。  その時、世良に母は雇われていた暗殺者で、父はその標的だと聞かされた。そしてその父もまた暗殺者で標的は母だったのだと知った。  母は自分の任務を遂行しただけだ。なのに泣いていた。そして碧也を見て、少し悲しそうに笑った。未だにあの笑みと涙の理由がわからない。  ——アレらは過去の記憶だ。この現状とは重ならない。  そう己に言い聞かせる。  碧也はしっかりとナイフを握りしめてベッドへと上がった。
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