第19話 結婚式を挙げてから両親の出会った民宿へ家族4人で行ってみた―二人で一緒にお風呂に入った!

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第19話 結婚式を挙げてから両親の出会った民宿へ家族4人で行ってみた―二人で一緒にお風呂に入った!

それから3か月後の10月吉日に僕たちは結婚した。義理の兄妹が結婚するにはどうすべきかを事前に調べたが、特段の問題はなかった。調査結果は以下のとおりだった。 義理の兄妹(姉弟)が戸籍上で血縁がない場合は、兄妹(姉弟)は結婚できる。何の特別な手続きも必要ない。普通に婚姻届を提出すればOK。例えば、実子と養子の兄妹、両方が養子の兄妹、親が再婚した連れ子同士で血の繋がりがない場合が該当する。 ◆ ◆ ◆ 結婚式は実家のある市内の式場で4人の家族だけで行うことにした。父さんは結婚式が済んだら、4人でドライブして昔、両親が出会った民宿に行ってみないかと誘ってくれた。 僕たちの小さい時にも一度4人で行ったことがあると言う。そういえばそんなこともあったように思った。美幸は覚えていなかったが、行ってみたいと言った。 父さんが連絡をとってみたところ、オーナー夫妻はもう亡くなっていて、息子さん夫妻が民宿を再開しているとのこのことだった。それでも4人で行って1泊することになった。 ◆ ◆ ◆ 結婚式を挙げてお祝いの食事を終えてから、4人は車に同乗して民宿へ向かった。2時間ほどのドライブで民宿に着いた。両親は外観がほとんど変わっていないと言っていた。僕はほとんど覚えていなかった。 中に入るとオーナー夫妻が部屋に案内してくれた。部屋はほとんど変わっていないがベッドや設備が新しくなっていると両親が言っていた。 夕食前にお風呂に入ることになった。案内されたので父さんと母さんが先に一緒に入った。ここで一緒にお風呂に入るのは初めてだと言っていた。 次に僕たちが入ることになった。僕と美幸はまだ二人でお風呂に入ったことがなかった。それはマンションのお風呂はそんなに大きくなかったし、二人ともお風呂はゆっくり入りたい方だったからだ。良い機会だと二人で入ることにした。 僕が先に入って浴槽に浸かっていると、美幸が恥ずかしそうに入ってきた。いつもと感じが違っている。美幸がかけ湯をして隣に浸かった。 「二人で入るのは初めてだから、僕が洗ってあげよう」 「いえ、私が先に洗ってあげる」 僕が浴槽から上がって座ると美幸がタオルにバスソープをつけて、背中から洗い始めた。背中を洗い終えると前を洗うと言って僕を立たせた。今度は前から、肩、胸、お腹、大事なところ、脚と洗ってくれる。 そしてお湯をかけて石鹸を洗い流して、最後に「これはおまけ」と言って僕のあそこにキスしてから口に含んで吸ってくれた。突然のことで驚いた。それから美幸は何事もなかったように自分の髪を洗い始めた。 美幸が髪を洗い終わると、今度は僕が洗ってあげると美幸を立たせて、背中から洗い始める。肩から背中、腕を上げさせて脇の下をゆっくりと洗って、それからお尻、そして脚の裏側へと洗っていく。 今度はこちらを向かせる。美幸はもううっとりしている。肩から、首、脇の下と乳房は特に丁寧に洗って、お臍とお腹を洗う。それから脚を広げさせて、大事なところは手でゆっくり丁寧に洗った。力が抜けたのか美幸は僕の腕につかまってきた。それでしっかり支えて、脚を洗った。 それからお湯をかけて石鹸を洗い流す。最後に「これはおまけのお礼」と言って、左右の乳首をなめて口に含んで吸ってやった。美幸は突然のことで驚いていたが、僕は「おしまい」と言って、座って自分の髪を洗い始める。 僕が髪を洗っていると、美幸が「これはおまけのお礼のお礼」と言って、座っているお風呂の椅子の下に後ろから手を入れてきて、僕の大事なところをつかんだ。目をつむって髪を洗っていたので何が起こったのか一瞬分からなかったが、すぐに美幸のいたずらだと気がついた。 「やめろよ」と言っても笑っていてなかなかやめない。硬くなってくるのを確かめるとようやくやめてくれた。それから二人で浴槽につかって仲良くお風呂を上がった。 「洗ってもらうと気持ち良くて気が遠くなりそうだった」 バスタオルでお互いを拭きあった。美幸といると何をしても楽しい。 ◆ ◆ ◆ 夕食は4人で食べた。オーナー夫妻が挨拶に来てくれた。前のオーナー夫妻は10年ほど前に続いて亡くなったとのことだった。それでここを改修して民宿として再開したという。カラオケがあったラウンジも改修して、オーナー夫妻がゆっくり過ごせる部屋にしたと聞いた。 食事をしながら、父さんはここで母さんと前オーナー夫妻の紹介で出会ったこと、ここで母さんに「恋愛ごっこ」をして過去に上書きをしてみないかと誘ったこと、そしてここの部屋で初めて結ばれたことや愛を育んでいったことなどを話してくれた。母さんは笑顔で聞いていた。 出会いとは不思議なものだ。父さんと母さんがここで出会わなければ僕と美幸が兄妹になることもなかったし、まして結婚することもなかっただろう。二人の出会いの縁を取り持ってくれた前オーナー夫妻に感謝してもしきれない。 夕食後、両親と僕たちはそれぞれ部屋に戻った。それから明朝は4人で岬まで日の出を見に行くことになった。 部屋に戻るとすぐに美幸が抱きついてきた。それからなんどもなんども愛し合って、抱き合って眠った。父さんと母さんもきっと愛を確かめ合ったと思う。 ◆ ◆ ◆ 薄明るくなって目が覚めた。抱きついている美幸を揺り起こす。まだ寝ぼけている美幸を促して着替えをして下へ降りていく。両親も丁度降りて来たところだった。4人で岬の方へ歩いて行く。 両親が手を繋いで僕たちの先を歩いている。その後を僕と美幸も手を繋いで歩いている。僕は思い出した。 「父さん、昔4人でここへ来た時、父さんは美幸と手を繋いでいて、母さんは僕と手を繋いでいたと思うけど、そうだったよね」 「そうだった。誠はよく覚えていたな。美幸は父さんに懐いていたし、誠も母さんに懐いていた。だから4人で住もうと思った。そしてここで母さんに『恋愛ごっこ』はもうやめて父さんと一緒に住んでくれないかと言ったんだ。今日は4人で思い出の場所に来られて本当によかった」 岬まで来ると丁度朝日が昇るところだった。二人の門出、いや家族4人の門出にふさわしい綺麗な日の出だった。 これで僕たち義理の兄妹の「恋愛ごっこ」のお話はおしまいです。めでたし、めでたし! 結婚しても美幸が僕をお兄ちゃんという呼び方は変わらなかった。本人も気にしているようだったが、いままで兄妹だったから仕方ないとか、お兄ちゃんが言いやすいとか言って、言い続けていた。 でも子供が生まれるとさすがに人前でお兄ちゃんというのはおかしいと思ったのか、呼び方がパパになった。それでようやく僕はお兄ちゃんを卒業できた。
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