腐れ縁

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「……あーっと、まあとりあえず、シャワー、浴びるか」 「……うん」 「お前先入って来いよ」 「えぇ!? い、いいよ、私は後で! 鳴海が先に入ってよ!」 「……分かったよ。じゃ俺が先入るわ――つーかお前、逃げんなよ?」 「に、逃げないよ!」 「そんじゃ、お先」  念を押す形で言った鳴海は洗面所の方へ歩いて行ったので、残された私はひとまずソファーに腰を下ろしてみた。 「……私、何してんだろ……」  中学からの腐れ縁の私と鳴海は地元の高校に進学。そして何故か大学も一緒という事で地元から少し離れた大学へ通う為に共に一人暮らしを開始。  私たちは大学近くの学生向けアパートに住んでいる事もあって、バイトが無い日や帰るタイミングが被った時はよくご飯を食べに行ったり、お互いに好きなカラオケに行ったりしている。  中、高もそうだったけれど、よく周りには付き合っていると誤解されたりするし、男女間の友情は成り立たないなんて言われるけど、私たちは『親友』で寧ろ、同性の友達よりも何でも話せる相手だと私は思ってるし、鳴海も同じだと信じてる。
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