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『きみとすごしたひびがーいつか、いろあせてゆくのだとーしても、きみがくれたこいごーころをーわすれなくていいよね?』
ロンカの魔力制御を手伝っていた時に、そのあたりから感情が強く揺らぐのは、ロンカに子守唄代わりに歌っていた世羅がそうだったからなのかもしれないなと、リョクジュとしての記憶も持つ今の葉風は思った。
『ときをわたりーおりたつーならー』
過去だったのか平行世界だったのかは、葉風には判断がつかないけれど、それでもロンカという不安定な二人の間に授かった子宝……その存在が消えなくてよかったと思う。
『いつかまたあえる、そうしんじてーまってるー』
子守唄として紡がれた歌声に込められた願いは、この日成就したのだ。
(END)
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