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魔法使いにはならなかったが、異世界転生した
童貞のまま30歳のオッサンになった俺は、残念ながら魔法使いにはなれなかった。
大学を卒業しても就職は出来ず、勿論彼女も出来なかった。
実家から上京してまで進学したのに、独り暮らしを続けてアルバイトで生活していた。
ワンルームのぼろアパートに住む俺は、惰性で生きていた。
そんな俺は、居眠り運転していたトラックに跳ねられて呆気なく死亡。
情けない人生だったと思っていたが、何故か俺は生まれ変わっていた。
所謂、異世界転生だった。
チートスキル無しでも言葉だけは理解出来たが、隠された才能や魔法適正も無く、貴族の生まれでも無かった。
但し、親は奴隷商人で金と奴隷を持っていた。
この異世界は剣と魔法のファンタジー世界で、貴族階級と奴隷制度が有り、魔物によって親を失い孤児になった顔立ちの良い生娘を奴隷として引き取り、商売をしているのが俺の父親だった。
母親は元奴隷で、俺を産んだおかげで奴隷から解放された。
母違いで俺の他にも子供が居たらしいが、女の子だったので貴族へ嫁に出したらしい。
その母親が父親の嫁さんとなり、第二婦人になれなかった俺の母親はメイドとして身の回りの世話をしている。
父親は処女大好き人間で、大切に育ててから生理になって身体が大人の仲間入りした途端に、性教育の一環として食らう。
なので、俺の母親とは年が13位しか離れていない。
性奴隷を売りにはしていないので、処女でなくとも売れてはいるが、買われずに年を重ねて売れ残る者が増えてきている。
一般教養は有るものの、貴族階級には及ばず侍女にはなりきれなず、金持ちの家にメイドとして買われるか、親が息子の嫁か慰み物として買い与える事が殆んど。
炊事や掃除のスキルは身に付けられても一流には遠く及ばない。
そんな状況が改善されずに俺が性行為出来る年にまで成長したある日の事だった。
「お前には特に期待していないが、奴隷の売れ残りをやるから好きに商売を始めてみろ」
父親がそう言って金貨が沢山入った袋と、俺の母親よりも年上の奴隷達を俺に渡してくれた。
奴隷には奴隷紋が身体に刻まれており、解放されると奴隷紋が消える。
主従の移行はその奴隷紋に自身の血液を付けて詠唱する事で書き変わる。
俺は指人にナイフで血を出させて父親に教わった詠唱を唱え、奴隷達の主従移行をした。
「ご主人様、これから宜しくお願いいたします」
奴隷達が俺に跪いて無事に主従移行が完了した事を知る。
因みに、その夜は人生発の童貞捨てが出来たのは言うまでもない。
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