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古都が声の方を向くと、ヒメさんと目が合う。
そして、こちらに向かって歩き始めた。
トレーを持っており、その上になにか乗っている。多分、先ほど言っていたお菓子だろう。直接持ってきてくれるのだろうか?
そんなことを思いつつ名前を忘れたお菓子を楽しみにしたのも束の間、古都とヒメさんの間に「ふえっ!」という変な声と共に影が入り込んだ。
「ヒオウくん!大丈夫?」ヒメがヒオウと呼んだその少年、先ほどの三浦くんである。
「あ、あ、すみません!こいつが!」
どうやら横の友達になにかされたらしい。
「びっくりしたよ、勉強頑張ってね、」
そしてヒメさんがヒオウ少年の横を通り抜けようとしたとき、
ばちんっ
横の友達がヒオウの背中を叩き、
「ヒメさん!俺と付き合ってほしいっす!!!」
ヒオウが反射的にそう言った。
まさかの展開に古都は驚いたが、誰よりもヒメさんが驚いていた。
と、古都は考えたのだが
「うーーーん、まずはちゃんと受験がんばって!」
予想外の反応だった。
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