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そこまで言ったところで、俺の脳裏に昨日の帰りの車での伊藤先生との会話が蘇った。
「千夜くん…?」
鈴木が心配そうに俺の顔を見ている。
もしかして…。
俺は鈴木と山村に予想に過ぎねー俺の考えを述べた。
「伊藤先生はボクサーを本格的に目指すのかもしれねー」
鈴木と山村「ボクサー??」
訳がわからねーと言いたげな2人に俺は、伊藤先生から聞いた話をした。
「先生、格好良い!」
「そう言う事でしたら、可能性はゼロでは無いとは思いますが…」
鈴木はまだ腑に落ちねー表情だったが、俺は自分にも言い聞かせる様に2人に言った。
「もし…もしもだ。いつか伊藤先生がボクサーになったら、3人で応援に行こう」
「うん!」
「千夜くんの仮説が真実である事を僕も願っていますよ…」
鈴木も、ぎこちなくだが微笑む。
真相は結局のところ、わかんねー。
だが…だからこそ、俺は…俺達は、そう自分達を無理矢理、納得させた。
放課後。
生徒達が仲良く笑い合いながら、帰って行く。
その様子を校長室から校長が見下ろしていた。
「生徒達よ、オドオドする必要は無い。伸び伸びと生きていくと良い。それが心が…友情の絆がのびる事に繋がるからのぅ」
俺達は、笑顔の花が校長の元に在る事で、学園全体が明るく前向きな雰囲気に包まれ続ける事を感じる様になる。
完
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