14人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫ですか?!山村先輩!」
鈴木は山村を心配して駆け寄るが、山村がつまづいた拍子に箱のフタも開いた。
俺は、山村よりその箱の中に釘付けになる。
箱の中にはデケー種みてーなモンと、メモ紙が入っていた。
そのメモ紙には…。
『笑顔の種。
この種を育てる事で、特別な力が宿る。』
…と書かれている。
笑顔の種?
特別な力?
意味が解らず、しばし思案に耽っていると。
「えへへー。大丈夫だよう!ちょっとつまづいただけだから!」
そう言いながら膝を払って山村が立ち上がった。
「なら、良いのですが…。…千夜くん!!」
「な、何だよ?」
「千夜くんも山村先輩に何か言ってあげて下さい!」
「はあ?何で俺まで…」
山村の保護者は鈴木1人で充分だ。
その余りの剣幕に、俺は鈴木も春日部相手にそう言ってやりゃー良いのによと思った。
と、そんな俺等のやり取りを遮る様に山村が声を上げる。
「あれー?!この箱、不思議な種が入ってる!『笑顔の種』だってー!」
どうやら、山村も箱の中を見た様だ。
種とメモを箱ごと持ち上げ、未だに不機嫌そうな鈴木にも見せる。
「えっ?!『笑顔の種』ですか?………」
先程の俺みてーに思案にふける鈴木。
頭の良い鈴木なら、このメモに書かれている意味が解るだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!