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なるべく満遍なく…。
花壇全体を濡らすことは出来なかったが、種は1つしかねーから、それでも十分といえた。
「やったぞ」
俺は空になったペットボトルを手に2人に言った。
「どれー?」
山村が再度、指を突っ込む。
と、今度は綺麗に穴が空いた。
「あー!ホントだあー!この穴の中に種を入れれば良いんだね?!」
「はい。土を被せるのは軽くで良いそうです」
鈴木に言われ、山村は穴の中に種を落とすと、そっと上から土を被せた。
「これで良いのー?」
「はい!お上手ですよ、山村先輩!…今日、出来る事は、これくらいですね。では、帰りましょうか?」
「そうだな」「うん!」
俺達3人は揃って帰路に着いた。
帰り道、スマホをしまった鈴木が、俺と山村に言う。
「発芽するのがいつ頃になるのかまでは、種が特殊なので解りませんでしたが、芽が出てきたら液肥も蒔いた方が良いでしょうね」
「エキヒってー?」
「液体状の肥料のことです。一般の花達には、通常2種類の、水で溶かして作る肥料を、更に何倍かに薄めて花に与える事になります」
「肥料は園芸店で買うのか?」
「はい。ただ、2袋は相当大きくて重いので、学園まで運ぶのは千夜くんにお願いしても宜しいでしょうか?」
「そんなにデケーんじゃ学園に置いといたら目立つんじゃねーのか?」
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