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俺の疑問に、しばし鈴木は思案している様だったが、やがて口を開く。
「袋状のタッパーに小分けしておけば湿気も防げるし、荷物にならないので良いかもしれません。後は液肥を作る際に必要な道具が要りますね…」
「面倒くせー。全部、園芸部から、かっぱらっちまおうぜ」
「勝手に持って行くのは良くないです!」
「何が必要なのー?」
「確か…肥料と水を入れる大きなバケツと掻き混ぜる柄杓に、液肥になった液体を入れておく大きなペットボトル、それから…」
「あー!鈴木!悪い事は言わねー。俺達で揃えるより、園芸部の連中と交渉してみようぜ」
「お裾分けはしてくれる…と思いますが」
鈴木はそこまで言って困った様に言葉を切った。
「実際に液肥を撒く際に、どれくらいの分量で何倍に薄めたら良いかは、園芸部の方たちも解らないと思います」
「笑顔の種って聞いたこと無いもんねー…」
「薄めねーで沢山やれば良いんじゃねーか?」
「栄養過多でも成育が上手くいかないのが植物なんです。…こればかりは、試行錯誤を繰り返すしかありませんね」
「大きく育ってくれると良いけどなぁ…」
初めての試みに鈴木も山村も、ちと不安そうだ。
「でも、育てるって決めた以上は頑張るよう!」
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