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立ち直りが早いのは山村の長所だ。
鈴木も大きく頷いた。
「そうですね。種にも成長する力があると言いますし、先ずはやってみましょう!」
「決まりだな」
これからの方針が決まった俺達はコンビニの手前の3斜路で、それぞれの家への帰路に着いた。
次の日。
俺達3人は朝、園芸部のハウスに寄ってみた。
ハウスの中は外より、ちとあったけー。
部員の渡辺と交渉するのは、主に鈴木が担当することになった。
「液肥やるのに必要な物に関しては他の部長達や顧問の伊藤(いとう)先生にも許可をもらわないといけないから、少し時間が掛かるけど大丈夫?」
伊藤先生は、この学園の教師の中では数すくねー温厚で優しい先生だ。
確か山村のクラスの担任だった筈。
俺と鈴木の担任、春日部に爪の垢を煎じて飲ませてやりてー位だぜ。
「まだ種を蒔いたばかりですし、急ぎません。ですが、許可を頂けると助かります」
「僕の方からもお願いしてみるよ。…千夜くん、鈴木くん、そして、そこの1年生の子も、ありがとう」
「ぶー!ぶー!僕は2年生だい!」
山村は怒ったのか、地団駄を踏んだ。
「そ、それは先輩!失礼しました!」
渡辺は慌てて頭を下げる。
「まっ!山村は幼稚園児みてーなモンだからな」
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