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負け惜しみを叫ぶ春日部だが、いちいち気にしてらんねー。
「へいへい。まっ!服装チェック、せいぜい頑張れよ、先生!」
俺はワザと春日部ごときに敬称をつけて呼んでやる。
春日部の怒りを煽った様だ。
「千夜あー!このままで済むと思うなよ!」
春日部の怒声を背に、俺はヒラヒラ片腕を挙げて振ってやると、その後も何やら騒いでいる春日部をシカトし、下駄箱へ向かった。
「鈴木(すずき)くん!今日も着こなしは完璧!流石は、学年トップの成績を誇るだけはあるねえ!」
僕、鈴木航(すずき わたる)は、そう言って肩を揉んでくる春日部先生に背筋に悪寒が走りました。
成績は、服装チェックとは関係ないと思うのですが。
それに先程、千夜くんに注意…というより怒っていた人とは別人みたいです。
「あ、ありがとうございます…」
「これからもキミには期待してるよ!」
校則は守って当たり前ですから、制服も規定通り着ているだけですのに、春日部先生は大袈裟です。
それだけ制服をきちんと着て来ない生徒さんが多いからかもしれませんが。
特に僕の居た所まで春日部先生の怒声が聞こえてきた千夜くんの場合、彼はかなり制服をアレンジしています。
ですが、千夜くんは素行こそ悪く、不良のレッテルを貼られていますが、ワルになりきれないワル…根は優しい人なんです。
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