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俺も鈴木の隣に座ると巾着袋の中の弁当箱を開けた。
「鈴木に山村。良い知らせと悪い知らせだ。どっちから聞きたい?」
「僕、良い知らせしか聞きたくないよう。悪い知らせは、なんか怖いもん」
「そういう訳にはいかねー」
「じゃあ、悪い知らせからお願いします」
鈴木に促され、俺は春日部の事を2人に話した。
「えー!?春日部先生が!?」
山村は怯えた様な表情になる。
鈴木が安心させるように言った。
「春日部先生には、千夜くんが勉強したいと言い出したので図書室に行って居ました。と伝えれば大丈夫でしょう。嘘も方便です」
流石、鈴木。
春日部も、鈴木の言う事なら大抵、鵜呑みにする。
それに、その嘘の内容なら俺も春日部に目を付けられ難くなる。
最も俺まで春日部に気に入られるのは勘弁だが、そこまではいかねーだろう。
「鈴木くん、頭良いー!それで保ー、良い知らせってー?」
山村がコッチに身を乗り出してきた。
俺は、渡辺から聞いた、伊藤先生から許可を得た話をした。
「じゃあ、芽が出てきたらエキヒも撒けるね!やったあー!」
山村は、箸を持ったまま、両腕を挙げて万歳する。
対して鈴木は、思案顔だ。
「有機肥料を撒いていると害虫が着く可能性も、有ります。駆除方法も今度調べて、何か必要ならまた許可をもらいに行きましょう」
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