花を育てよう!

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はしゃいでいた山村の動きがピタッと止まる。 鈴木の言葉に俺は疑問に思った。 「殺虫剤じゃ駄目なのかよ?キンチョー○とか」 「そしたら花まで駄目になってしまいますよ!害虫駆除剤なら大丈夫だと思いますが…」 「お花を育てるって大変なんだねー」 「植物も生きていますからね。人間と一緒です」 俺はタコさんウインナーを頬張りながら、2人の会話を聞いていた。 それから10日程して、笑顔の種は芽を出した。 山村と鈴木も両手を使ってだが、ジョウロから水を撒けるようになっていた。 そして、液肥をやり始めた頃、俺達は害虫駆除の事でハウスに伊藤先生が居る時に直に対策を聞きに行った。 「ウチの部活では、このスプレーを掛けているんだけどね」 伊藤先生が見せてくれたのは、『天然由来成分が効く!』という触れ込みが印刷されていたスプレーだった。 「これは、害虫だけでなく、病気も予防してくれるから重宝してるよ…って、大丈夫かい?」 犬に餌をやってから来た鈴木は軽く息を弾ませている。 「だ、大丈夫です。それより、厚かましいお願いですが、このスプレーの入手元はどちらか教えては頂けないでしょうか?」 「教えるも何も貸すよ。使い終わったら、ハウスの中に戻してくれれば良いから」
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