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その証拠に僕は入学式の日、上級生さん達にカツアゲに遭っていたところを助けてもらっています。
クラスも同じで席もお互い直ぐ前後なので、一見正反対の僕達が磁石のように仲良くなるのに、そんなに時間は掛かりませんでした。
「ところで、鈴木くん…」
まだまだ後ろに生徒さん達が並んでいるのに、春日部先生に気に入られてしまった僕は、肩を揉まれ続けながら、話を続けられてしまいました。
「千夜なんかとまだ付き合っているのかね?」
…春日部先生の言う、付き合っている、は、勿論友達としてって意味である事はもう何度も言われていますから、嫌でも解ります。
「…はい、仲良くさせて頂いています」
僕が険しくなった春日部先生の目を見て応えると先生は、大きく溜め息をつきました。
「悪い事は言わない。キミは優等生だ。千夜と付き合っているせいでキミまで他の教師達に悪く言われるのは忍びない。友達は選んだ方が良い」
僕は無難に切り抜ける事にしました。
「ご心配ありがとうございます。でも、お気持ちだけ受け取っておきます」
僕の返事を聞くと、春日部先生は僕の肩を揉んでいた手を力無く下げました。
「私はキミの事をいつも心配しているのだよ?それは忘れないで欲しい」
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