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俺の言葉に鈴木と山村も賛同する。
「先生。頭を上げてください」
「そうですよう、先生。先生は僕達の笑顔の花を守ってくれたじゃないですかー」
「笑顔の…花?」
伊藤先生が不思議そうに頭を上げる。
俺は咄嗟に言った。
「せ、先生!何なら、今日の放課後、俺達を先生の家に連れて行ってくれ。先生が守ってくれた花、今度は俺達が守る」
「それは構わないが…大丈夫か?春日部先生の他にも、あの花を目の敵にしている先生は多い。校長先生も全教員に罰は与えられないだろう」
「確かに教員不足になってしまいますからね。でも大丈夫です。僕に考えが有ります」
「それに花が咲いてから皆、伸び伸びしていたのに、花が無いことで又、元の暗い学校に戻っちゃうのは嫌だもん!」
「キミ達…」
伊藤先生は、しばらく俺達を感極まった様に見詰めていたが、やがて席を立った。
「放課後の件はわかった。さあ、もうすぐ昼休みが終わる。早く各々の教室に戻ると良い」
「あ…俺、弁当食ってねーし、弁当箱、校庭に置いて来ちまった」
「昼食を戴いていないのは僕達もですよ。それから、はい」
鈴木が差し出したのは、俺の弁当箱が入った巾着袋だった。
「…サンキュー、鈴木」
「見つけたのは、山村先輩ですけどね」
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