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だが、このままだと一向に山村や伊藤先生と合流出来ねー。
と、春日部でも伊藤先生でもねー教師が教室に入って来た。
皆、一様に緊張した雰囲気になる。
教師は言った。
「えー、春日部先生は今、取り込み中なので代理で私がHRを担当する!」
やはり、昼休みの事が関係してるのだろう。
教師の話を受け流しながら俺は自分の憶測に確信を持った。
放課後。
急いで鈴木と教室を出ると、どういう訳か山村がポツンと1人、廊下で俺たちを待っていた。
「どうしました?山村先輩?」
鈴木が優しく問うた。
「保ー、鈴木くん。伊藤先生、職員会議に連れてかれちゃったあー…」
「山村、泣きそうな面すんな!伊藤先生は何も悪かねーんだからよ」
そうだ。
俺が春日部を殴って退学になるのを防げたのも伊藤先生が身体を張って止めてくれたお陰だ。
それだけじゃねー、笑顔の花が無事なのも、全部、伊藤先生のお陰じゃねーか。
山村の言う職員会議に校長が居てくれれば良いんだが。
「山村。職員会議に校長は居るのか?」
「わかんないよう」
ピクッ!
「うわーん!保の顔が怖いよう!」
「るっせー!この顔は生まれつきだ!」
「僕達が揉めていても仕方有りませんよ?とりあえず、職員室の前で伊藤先生を待ちましょう」
確かに、ここでグダグダ言ってても、しょうがねー。
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