盗まれた笑顔の花

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俺達は揃って職員室の前に向かった。 職員室のドアは前も後ろも閉ざされ、話し声らしきモンが、たまに聞こえてくるが、何て言っているのかまでは、わからねー。 中から出てくる教師は勿論、中に入って行く教師も居ねーので、中の様子はサッパリわからなかった。 「伊藤先生、大丈夫かなぁ…」 山村がドアに耳を当て、中の声を聞き取ろうとするが。 「山村先輩?先生に見つかったら、叱られますので、やめておきましょうね?」 鈴木に、やんわりと嗜められた。 3人で並んで廊下に立っている時間は長く感じた。 途中、鈴木が犬に餌をやりに。 山村が部活で抜けたが、それでも職員室は開かずの間と化していた。 俺も煙草を吸いたくなってきたが、全員居なくなる訳には、いかねーだろう。 最終下校時刻が迫っている中、先に戻って来たのは鈴木と山村の方だった。 「まだ終わっていないのー?!」 山村が驚くのも無理は、ねー。 もう何時間と経っている。 「とりあえず花が無事なのは、わかったのですから、今日はもう帰りますか…?」 「そうだな…」 「僕はヤダよう!伊藤先生が春日部先生達にイジメられてたら心配だもん!」 「山村先輩。お気持ちはわかりますが、今の僕達に出来る事は有りませんよ?」 3人で話し合っていると、職員室のドアが開いた。
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