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伸び伸びとした学園
「3人共?!まだ待っていたのか!」
先に出て来た伊藤先生も流石に驚いた様な顔をしている。
だが、春日部達の手前、余り大っぴらに話す訳にもいかず、伊藤先生は小声で俺達に校門前に行く様に言うと去っていく。
「えー?何で?何でー?」
山村は、わかっていなさそうだが、俺は何となく察した。
鈴木が山村に耳打ちしてやる。
「そっかー。じゃあ、早く行こー!」
どうやら山村も、わかったらしい。
先頭を切って下駄箱の方へ向かって行く。
俺と鈴木も後に続いた。
3人で校門前まで出たところで最終下校時刻を知らせる音楽が流れ出す。
そして、それ程、待たずに1台の車が俺達の前に停まった。
車の窓が開くと、案の定、伊藤先生だった。
「遅くなって、ごめん。誰か2人後ろに乗って、後の1人は助手席で良いかな?」
「僕、伊藤先生の隣が良いー!」
「俺は後ろでいい」
「僕もです」
あっさり決まった座席に俺達は、それぞれ乗り込んだ。
「じゃあ、皆。シートベルトを絞めて。時間は遅いけど、危ないから安全運転で行くよ。その代わり帰りも送っていくから」
「はあーい!」「はい、お願いします」「ああ」
俺達、全員の準備が整ったところで、車は伊藤先生の家を目指して走り出した。
「伊藤先生。まさか辞めちゃわないよね?!」
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