伸び伸びとした学園

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次に山村の家。 こっちは意外にもデケー豪邸みてーな家だった。 そして最終目的地の俺の家に向かう。 2人だけの車内で先生は、不意に俺に訊いた。 「千夜は卒業後の進路は考え始めているのかい?」 「親父が反対しなきゃパティシエになりてーけどよ。まだどうなるかわかんねーな」 「そうか。私は教師にならなければボクサーになりたかったんだ。今でも時間を作っては筋トレしたり、ジムに通ったりしてるよ」 俺は春日部を殴るのを先生に止められた時、スゲー力だったのを思い出した。 先生は着痩せするタイプなのかもしれねー。 今日は色々あって疲れてきた俺はいつしか居眠りしてた。 「…や、千夜。家に着いた。起きなさい」 先生の声に目を覚ますと屋敷の前に着いていた。 「サンキュー、先生」 「随分と立派なお屋敷だね。今日はゆっくり休みなさい」 俺が車から降りると先生は元来た道を帰って行った。 翌朝。 俺が歩いて登校していると後ろから聞き覚えの有る声を掛けられた。 「千夜くん!」「保ー!」 振り返ると案の定、鈴木と山村だった。 鈴木は鞄の他に、昨日、伊藤先生から渡された袋を手にしている。 俺は立ち止まって2人が追いつくのを待った。 「よお」 「おはようございます」 「保、おはよー!」
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