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鈴木がドアをノックすると、直ぐに校長が廊下まで出て来た。
「今日は校長先生にお願いがあって来ました。これを校長室に置いてもらえませんか…?」
「もしかして花かな?昨日の職員会議の時に聞いているよ」
つー事は、あの時、中に校長はいたのか!
俺は内心、安心した。
「はい。お手数をおかけしない様に花は加工してあります。箱に入れたまま、置いて下さると助かるのですが…」
「お願い!校長先生!」
「俺からも頼む。校長…先生」
俺達は全員、頭を下げた。
と、校長の手が、鈴木の持っている袋にのびる。
「うちの校長室は殺風景で良くないねぇ。丁度、花が欲しいと思っていたんだよ」
「「「それじゃあ…!」」」
「喜んで置かせてもらうよ」
「「「ありがとうございます!」」」
校長が鈴木から袋ごと花を受け取ったところで、俺達3人は、勢いよく会釈した。
こうして笑顔の花は、校長の快諾で校長室に置かれる事になった。
山村と別れ、鈴木と教室に入ると既に春日部がいた。
思わず緊張する鈴木と身構える俺。
しかし、春日部はちらっと俺達を見ただけだった。
朝のHR前だからか、控え目ながら、談笑している渡辺達も居る。
だが、春日部は以前みてーに怒鳴り散らしたりしねー。
昨日の職員会議での詳細はわかんねーが、拍子抜けする位、春日部は大人しかった。
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