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「何とか言ったらどうかね?!山村くん!」
僕は下を向いていた顔をキッと上げた。
「服装チェックと僕の成績は関係有りません!それに皆、頑張っているのに部活の事まで悪く言うのはやめてください!」
春日部先生は不機嫌そうに片眉を吊り上げた。
「口応えする様になるとは…千夜の影響を受けているな…」
「たも…千夜くんも関係有りません!」
「この出来損ないが…!」
春日部先生は、手を振り挙げた。
怖い…!
僕が目をギュッと閉じて、頭を抱えた時。
「山村あー!何やってんだ!置いてくぞ!早く来い!」
保の声が校庭の方から確かに聞こえた。
僕には、それが救いの声に思えた。
僕は小柄なのを良いことに、春日部先生の振り降ろす手を、下を潜り抜けてかわすと、一目散に保と鈴木くんの方へ駆け出した。
「コラッ!話はまだ終わっていないぞ!」
後ろから春日部先生の怒鳴り声が聞こえる。
でも、僕は構わず走って息を切らし、保と鈴木くんの元へたどり着いた。
「ハア…ハア…ありがとー♡保ー。助かったよう」
「山村。春日部なんざまともに相手にするな。勝手に逆上するだけだからよ」
見上げると保は服装チェックしている校門の方を睨んでいる。
僕が保の視線を辿ると、コッチを向いてた筈の春日部先生は、次の生徒を怒鳴っていた。
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