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その光景を見ただけで僕は怖くて、すくみ上がりそうになる。
「大丈夫ですか?山村先輩」
鈴木くんが心配そうな表情で僕の顔を覗き込んだ。
「うん…僕は大丈夫。でも同じ部活の仲間達まで悪く言われた様な気がして…」
「酷いですね…。校長先生が入院されて代理の校長先生に替わられてから春日部先生達の暴挙は急激に酷くなった気がします…」
僕と鈴木くんが落ち込んでいると、保が僕のほっぺたを両手でムニーと引っ張った。
「ひゃにふふろ?!ひゃみょちゅ!(何するの?!保!)」
「千夜くん?!」
僕も鈴木くんもビックリしちゃった。
保は、脇に自分のカバンを挟みながら、ニヤリと笑う。
「春日部の事なんざ気にすんな。山村、あんたは笑っている方が魅力的だぜ」
「ひゃみょちゅー…♡」
「異論は有りませんが、ほっぺたは離してあげて下さい!」
鈴木くんに言われて保はようやく手を離してくれた。
「えへへー♡」
僕は、そんな保を見ていたら、ホントに笑顔になれた。
「良かったです。山村先輩が笑って下さって」
鈴木くんも安心した様に笑った。
「それで良い。さっ!わかったなら2人共、他の教師にとっ捕まる前に教室へ行くぞ」
見ると校舎の中から、僕達を見下ろしている先生達がいる。
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