笑顔の種

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保の言う通り、早く教室に向かわないと何か言われそうだなぁ…。 「じゃあ、保ー、鈴木くん。又、部活終わった後でね!」 2人共、部活には今は入っていないけど、僕が部活が終わるまで体育館裏で待っていてくれるんだー。 僕は2人とは違うクラスの下駄箱に向かった。 昼休み。 鈴木と飯を食う。 俺は自作の弁当。 鈴木は母親に弁当を作ってもらっているって言ってたな。 教室の中は授業中でもねーのに静かなモンだ。 「まるで通夜か告別式みてーだな」 俺は思ったままを鈴木に言った。 鈴木は何故か小声で返す。 「皆さん、春日部先生の監視が怖いのだと思われます」 鈴木の声に、教壇の方に視線をやると、ご丁寧に椅子まで持ってきた春日部が昼飯を食いながら、時々教室中に目を光らせている。 と、そんな春日部と目が合った。 今朝の事をまだ根に持っているのか、ジロッ!と俺を睨んでくる。 俺はワザとニヤリと笑い返してやった。 「千夜あー!何だ?!その態度は?!」 口の中のモンを飛ばしながら、春日部がデケー声を出す。 きったねーな。 クラスメート達はビクッ!と肩を震わせ、我関せずで黙って下を向いて昼飯を食っている。 「ちょっと千夜くん。春日部先生を余り挑発しない方が良いです」 鈴木が小声で咎めるが、先に喧嘩を売ってきたのは春日部の方だからな。
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