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笑顔の種
心誠学園高等学校、男子校。
退学者が後を絶たない問題校。
1部を除いた教師達は、学園の悪評を恐れるあまり、自分達と学園の体裁を守ろうとして、校則違反者を厳しく指導していた。
その筆頭教師が春日部(かすかべ)という野郎。
春日部達のいきすぎた指導に、生徒達も暗くピリピリしていた。
だが、そこに笑顔という小さな奇跡が。
友情の絆を、より深く結び付ける、きっかけとなる出来事が。
静かに始まろうとしていた。
「千夜(せんや)あ!何だ?!その格好は!昨日も直してくる様に言っただろう!」
俺…千夜保(せんや たもつ)は、校門前の服装チェックを担当してた春日部の怒声を浴びた。
だが、そんなモンどこ吹く風だ。
制服位、好きな様にアレンジさせろよ。
「良いんだぜ?気に入らねーなら、停学でも退学でもさせりゃー。そしたら、この学園は益々、悪評が高くなるだろうよ」
俺は春日部に言ってやった。
周りの生徒達はビクビクした様子で、一部始終を見ている。
皆、春日部達教師にビビり過ぎだと思うがな。
春日部が校則違反にるっせーのは、これ以上、自分の職場の体裁を悪くさせたくねーからだ。
当然、簡単には罰も与えられねー駄目教師。
それが春日部だった。
「ぐぬぬぬ…高校生の分際で煙草臭い心誠学園のガンが!」
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