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歌う文鳥さん
うちのかわいい文鳥を、部屋の中で放鳥する。この子は妻の方になついているのだけれども、俺のことも嫌いではないようだ。
手を構えると、指にとまって文鳥がご機嫌に歌い出す。このかわいい歌声を聴くのが毎日の楽しみだ。
ご機嫌に歌う文鳥の声を聞いて、メロディーラインをつかむ。それに合わせてハモれるように音程を組み立てて、簡単な歌詞をつけて俺も歌う。
すると、文鳥がピタリと歌うのをやめて、急に俺の親指を噛んだ。
これはまずい。そう思っている間にも文鳥は親指のささくれを勢いよく剥く。どうやらご機嫌を損ねてしまったようだ。
この子は妻が一緒に歌っているときはご機嫌なのに、俺は嫌なのか。
まぁ、鳥ってそういうものだしなあ。
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