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プロローグ
ある想いを込めて拓斗は美郷を誘った。付き合い始めて、二人はそろそろかなとお互いに感じ始めていた。高校の同級生で同窓会で再会。有り触れたエピソードと人は笑うかもしれない。しかし、小さな歯車という想いを積み重ね、二人の歯車が一気に噛み合ったのが同窓会という場所だった。ただそれだけだ。
「なあ、海に行こうか? ちょっとしたお気に入りの場所があるんだ」
「えっ! 海……お気に入り? はじめて聞いたね。じゃあそこに連れてって」
進路を変え、海へ向かう二人。気持ちいい程、天気がいい。
「なぁ、俺たちほんと偶然、同窓会で昔のこと知ること出来たよな」
「そうだね。お互いの昔を知ることが出来た」
「たまに思うんだ。あの時もし、俺と和希の会話を美郷が聞いてなかったら、今はなかったんだろうなって」
「そうね。きっと今がなくて昔の出来事も封印して……でもね、またどこかで巡り会ってたかも知れないよ……」
拓斗はハンドルを握りあの頃のことを思い出し、美郷と二人で会話を続けた。
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