脱落

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脱落

俺の行く先を遮った緑色の自動改札機に 幾度目かのトライをするも 通れないことに変わりなく 顔なじみになった駅員に 溜息混じりで声をかけられる 毎度毎度の出来事は駅員の手間を増やし 俺は予定通りに予定の電車に乗り遅れる 去って行く電車の後姿に手を振って 会えていただろう見知らぬ人のことを考えた こんな出来事を繰り返し こんな人生を折り返して行くのだろう 昨日注文した神智学の書籍に思いを馳せながら こんな毎日も悪くはないさと呟いた 明日はもう少し気取った詩を作ろう
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