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晩季
永遠にループする季節は
自分の中の晩夏だと
飽きてしまった景色を見ながら感じていた
終わらない夏と始まらない冬がせめぎあって
少し俺は狂い始めていた
その時目の前では根津神社のつつじが咲いていた
下半身が太った女性の自撮り風景に
狛犬が写っているかどうかが知りたくて
先導する光の玉を追いかける
そして俺も背景の一部になり
狛犬がいない事を知った
何かが終わった感覚が身体を通り抜ける
永遠だと思っていた夏が終わったのだろう
だけど世界にはもうすぐ夏が来そうだ
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