1#虐げられる路上ミュージシャンの俺

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 バキッ!!    警官に俺は囲まれて羽交い締めにされて、ヘラヘラとニヤつくふてぶてしい警官が俺のこめかみを渾身の力でぶん殴った。  「なあ・・・誰の許可でこんな歌を公共の場で歌ってるんだ?」  「何で歌ってるんだと聞いてるんだ!!吐け!!」  まるで、刑事ドラマの取調室だ。  ただ、俺はシャッターが閉まった店舗が並ぶ商店街の前でギターを片手にメッセージソングを歌っていただけなのに。  別にここは路上ライブ禁止とは、言われていない。  他の人も、この路上でパフォーマンスをするのは見てるのに、何でこんな目に遭うんだ?  「おい、ここは日本だぞ?!」  警官が、僕の胸ぐらを掴んで言い放った。  日本なのは解ってる。だが、それがどうしたというんだ?  「政府に楯突くとはいい根性だな!!」  その警官は、俺をいきなり殴る蹴るの暴行を加えてきた。  日本政府を批判する歌を歌って何が悪いんだ!!  俺は腫れ上がった顔で大声で怒鳴って、警官の顔に唾をペッ!!吐いた。  「コノヤロウ!!このガキ舐めやがって!!」  警官は更に俺に暴行を加えてきた。  俺は朦朧として、警官か何言ってたのか聞き取れなかった。  解ったのは俺が日本政府に歯向かうと、ああいう権力者が危害を加えて来る事と、  これが、この国の秩序であり常識である事だ。  じゃあ、何だというのか?  ただ政府に文句を言わずにじっと我慢して、黙々と思考停止させられたままメッセージの無いくだらないラブソングを歌ってりゃいいと言うのか?  フザケンナ!!こんな暴力で手懐けようとする権力者どものその手に乗るもんか!!  フザケンナ!!フザケンナ・・・    ・・・・・・  ・・・・・・ 
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