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「桃李〜、どこ行きたい?」
『.....ぉ、ぅえ、ん.....、』
「.......あ、公園??」
手話で“公園”と伝えてみる。
その途端、ぱぁっと顔が明るくなった。
どうやらあっていたようだ。
嬉しくなったのか、僕の手を掴んで
グイグイと引っ張るようにして歩き出した。
公園につくと、まずベンチに座って一息つく。
桃李はしばらく地面に座り込んで何かしていたが、
やがて立ち上がると、僕の方にやってきて、
手のひらから綺麗な小石を一つ、渡してきた。
「おぉ〜、綺麗やな、ありがとう。」
手話で“ありがとう”と伝える。
そうすると、小指を顎に当てて、
“どういたしまして”の手話が返ってきた。
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