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私は音痴だ。そのことを頻繁に揶揄される。私は、自他ともに認める音痴だ。
けれど、私は、音痴であることを知らなかった。
小さいころ、お母さんにもお父さんにも可愛い歌声だとほめてもらった。まだ幼かった私は歌が上手いのだと思い込んでしまった。
音痴であることがわかっても、歌うことが好き。
周りになんと言われても歌うことを諦められない。そのためなら、出来ることは何でもする。どんなに辛いことだとしても、構わない。きっと歌う楽しさがどんな辛い事も忘れさせてくれるから。
だから今日も歌う。誰もいない防音されたこの部屋で歌う。いつかみんなと一緒に歌えるように。
どんなに悲しい思いをしたとしても、どんなに苦しむことになったとしても、歌いたい。みんなと一緒に歌いたい。
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