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付き合った記念日だとか言うし、食事をしている場所はホテルだったし、私はガチガチに意識していたのだけど。
美山さんはいつも通りの軽い調子で食事を終えると、そのまま私はタクシーに乗せられて見送られて、気が付いたときにはもう自宅にいた。
「なんだか現実味がなかったな……」
水色のワンピースを脱げば、魔法がとけたシンデレラみたいだ。Y社との打ち合わせまでは日常だったけれど、そこからはずっと非現実で。こうして家に戻れば全てが夢だったみたい。
しかし、美山さんは一体私のことをどう思っているんだろう。
『君は俺のことを好きだと思っていたけど』
……顔が熱くなる。だけどそれは私の気持ちであって、彼はどうなんだろう。付き合う?だなんてさらりと言われたけど!
それが本気なのか、からかわれたのかわからなかった。
明日美山さんに会うのが少し怖いな。私は何度も寝返りをうち、なかなか眠ることができなかった。
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翌日、オフィスに入ろうとして――。
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