思わぬ出来事

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思わぬ出来事

いくら酒に強かったとは言え、毎度色々な種類の酒をちゃんぽんしたり、客から一気飲みを望まれればそうしていたので、結果的に泥酔してしまう時なんかもあった。 なるべくそんな状態にはならなように、こまめにトイレに立ち吐くこともあったが、そう上手く行かない日だってある。 けれど、客にさえついていれば、私は眠ってしまうこともなかったし、なんとか頭を回すことが出来た。 客の前では、辛うじて理性を保つことが出来ていたのだ。 ただ、泥酔状態の中で、それでもなんとか接客だけはちゃんと続けられている状態だったとしても、ラストになって全ての客が帰ると、もうダメだった。 ちゃんと思考を働かせたり、感情を抑制をすることが難しくなってしまう。 ロッカールームに向かい、着替えて帰宅する為の準備をするキャストのお姉さんたちと、男性スタッフだけが残る店内。 そこに残された私は、自分をコントロールする力を失いつつある。 そんな日々が、いつの間にかずっと続いた。 そういう時には、ビップルームで数時間寝かせてもらい、酔いがある程度さめた頃にマネージャーが起こしに来てくれたりするようになった。 そんな、ちょっとだけ特別なキャストのように扱ってもらえることが許されるようになっていた。 私とミサと、もしくはNo上位に入っている、よく酒を飲むキャストのお姉さんたちと共に、そうやって寝かせてもらう日もあったし、私一人だけの場合もあった。 もちろん、ミサだけの場合だってあったし、No上位の良く酒を飲むキャストのお姉さん一人だけの場合だってあった。 暗黙のルールなのかよくわからないが、店が終わってもビップルームで休ませてもらうことが出来たのは、No10くらいまでに良く入っており、たくさんの酒を飲むことで店に貢献しているキャストのお姉さんや、私だった。 その日はたまたま、ビップルームで休ませてもらっていたのが、私一人だけの場合の、そんな日だった。
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