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何かが変わる
でも、前にミサが言っていた。
マネージャーは、誰か女のコが自分の部屋に忘れ物をしたようで、その連絡を間違えてミサに寄越したことがあるって。
だから色管理しているんじゃないか、って。
確か私はその時、そのマネージャーの部屋に忘れ物をした女のコが、店のキャストだとは限らないんじゃないの、って、そんな風にミサに答えたような気がする。
だけど。
「マネージャー、いいの?」
「一人でこのまま飲みに行かれる方が心配だよ」
ため息を、つかれてしまった。
でも、その顔は怒ったりはしていない。
宥めるような、あやすような、そんな、時々見かけることのあるような顔だった。
心配、してくれるの、私のこと。
もう店は終わっていて、キャストの仕事の時間ももちろん終わっている。
マネージャーだって、さっき店を閉めた。
もうマネージャーの仕事の時間だって終わっているのだ。
じゃあ、スタッフとキャストである私たちは?
私たちはもう、何の関係ないんじゃないの?
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