私に、だけ?

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私に、だけ?

マネージャーは、今日は既に、私の様子に気を配ったりしなければならない時間は終わっているでしょう。 家に連れて帰るって言うのは、担当のキャストのメンタルをフォローする為の、電話やラインのやりとりとは、全然違うでしょう。 何より、私が店の営業時間が終わって、自分の勝手で飲みに行くと言うことに対して、はじめてマネージャーは口を出した。 心配だから、って。 なんだかそれは、ミサに対するマネージャーの考え方とは違うような気がした。 だって、ミサの私生活の相談をマネージャーにした時は「それぞれの生き方がある」って言っていた。 「人の人生はその人のものだから」って感じで。 自分は、他人の私生活や人生には、深く介入することはない、って、そういう考え方の人だと思っていたのに。 「私の担当だから?」 「さっき言ったろ。俺はうたこが可愛いって」 「嘘だ」 「なんでだよ」 「だって、笑ってるじゃん、からかってるんだ」 「ほら、もう行くぞ」 「あ、はい」 マネージャーが踊り場を抜けて階段を下りて行くので、置いて行かれてしまわないようにとその背中を追う。 彼は、私が酔っていることを気遣ってか、なるべくゆっくりと歩いてくれている。
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