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迷惑じゃない
「マネージャー、寝酒するんですね」
「酒は普通に飲むよ。店でも飲んでるだろ」
「仕事だから飲んでるのかと思ってました」
「酒は嫌いじゃないな」
マネージャーも、店で酒を飲むことはよくある。
シャンパンタワーなんかやった日には、その卓でキャストのお姉さんとその指名客を盛り上げて、客から飲んでも良いと言われたのであれば飲むことだってある。
酒に強くないキャストのお姉さんや、もう既に結構酔ってしまっているようなキャストのお姉さんの卓などで、彼女たち一人では到底どうにも出来ない量のボトルが入ってしまった場合などにも、助ける為にその卓につくことがあった。
そして、上手く客のことを楽しませ、自分がなんとか酒を片付けてやる、と言うような場合も何度か見かけたことがあった。
まあ、私とミサは、ほとんど助けてもらえた試しはなかったが。
「…なんでいつも、助けてくれないんですか?」
「あー?」
「他のキャストのお姉さんのことは、お酒飲むのが大変そうなら、助けに行くのに」
「ああ、それはおまえが酒に強いから」
「でも、最近は泥酔しちゃうし、今日だって…」
「うたこは、迷惑かけてもいいやつだからな」
「私、迷惑かけても、いいんですか?」
「ああ、酔っても、迷惑じゃないから」
「わがままも、言いましたよ」
「まあ、いいんじゃない」
だから、助けにはいかない。
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