ぐったり

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ぐったり

木村さんとそのシャンパンを飲んで、他の指名客たちへの元へも呼ばれたら通い、その指名客に合った接客をし、酒を飲み、また戻る、とそんな数時間を過ごし、その間数回はトイレにも立ったが、マネージャーとは上手く二人きりになることが出来なかった。 忙しく、くるくると色んな卓へと行ったり来たりする私とマネージャーが会うのは、ついている卓を呼ばれる時か、戻される時だけだった。 そうしてやっとでラストの時間がやって来て、一人ずつ帰る指名客の卓へと回され、各々の送りをする。 もちろん最後まで残されたのは、今日一番お金を使ってくれた木村さんだった。 私の頭の中はもうぐるぐるとし始めていて、客についている間だけはなんとか理性を保っていられている、と言う状態。 何人かの指名客を出口まで送り、灯りのつけられたフロアに残っている木村さんの元へとそのまま、まっすぐつけられる。 「うたこ、ありがとうな、今日」 「そんな、綺麗な薔薇を頂きましたし、楽しい時間を過ごせて、お礼を言うのは私の方です」 今にも寝たい、何もかもが面倒くさい、ああ疲れた、出来れば誰か、今すぐ私を助けて。 叫び出しそうになるのを堪えて、最上級に見える笑顔、を作れているのか作れていないのかわからないが、とりあえずそれを頑張ってやっていた。
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