先輩

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先輩

二人きりではなかったことに少しだけ安心する、余計なことをしてしまわずに済みそうだったからだ。 私は、キヨシくんに、多分サービスをしすぎている、と言うことを自覚していた。 「そうなんだ、今でも仲が良いなんていいね、親友みたいなやつ?」 「先輩だから先輩だよ、バイク持ってるから色んなとこ連れてってくれたんだよね」 「へー!いいね、そういうの、なんかめっちゃ青春って感じする」 「うたこちゃんはどんな高校生だったの?」 「普通だよ、普通、でもちょっとグレてたかも」 「じゃあ、先輩と同じだね」 グレていたと言うか、自傷行為ばかりしている死にたがりのメンヘラな金髪ギャルだったと言うか。 まさかそんな真実を伝えるわけにはいかないので、ニコニコと笑顔を心がけつつ、キヨシくんと喋りながらその先輩とやらと合流して三人で歩き出す。 先輩は特に何も喋らず、私とキヨシくんの会話を聞いているだけのようだった。 クールな人なのかな?あんまり、キャピキャピした空気感は好きではない人なのだろうか。
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